SASについて
睡眠時無呼吸症候(SAS)とは
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どんな病気?

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に、呼吸が度々止まってしまう病気です。無呼吸は10秒から長いときには1分近くとなり、それが繰り返し起こります。そのために睡眠の質が低下し、日中眠くなったり、頑張れなくなったりします。
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危険な合併症
睡眠時にストレスがかかっているため血圧が上がります。また、心筋梗塞や脳卒中も引き起こしやすくなります。
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原因は?
鼻づまりを来す様々な疾患:アレルギー性鼻炎・鼻中隔彎曲症・慢性副鼻腔炎など。
アデノド、扁桃肥大:もともと体を守るために咽にあるリンパ組織ですが、大きすぎると気道を閉塞し、SASの原因となります。
咽の形の悪さ:軟口蓋(ノドチンコとその付け根の部分)が通常より垂れ下がっている、舌が厚すぎることなど。
体型:肥満体型:特に内臓脂肪が多いと咽頭内腔が狭くなります。下顎狭小:下顎が小さく上あごより引っ込んでいる場合。以上、「鼻副鼻腔の疾患」、「咽の形の悪さ」、「体型」などが原因となりますが、単一の原因からSASになるのはむしろ少なく、大抵の場合は、いくつかの要因が組み合わさって発症します。
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治療は?
鼻副鼻腔疾患による鼻づまりに対しては、薬による治療や、手術を行います。手術は日帰りで行う場合と、入院して行う場合があります。日帰り手術は当院で行い、入院が必要な手術は、山形市内であれば、山形市立病院済生館や山形大学附属病院などを紹介いたします。もちろん、山形市外の病院へも紹介可能です。
アデノイドや扁桃肥大がある場合にも手術が有効です。その場合は入院が必要となります。
咽の形が悪い場合は、一部が手術適応となります。多くは入院が必要な手術となります。
以上が、原因に直接アプローチする治療ですが、それのみでは改善しない場合、手術を希望されない場合には、経鼻的持続陽圧呼吸(nasal CPAP)の適応となります。重症でなければ保険適応とならない点が問題ですが、装着したその日から、睡眠時の呼吸障害が解消されます。
関連する疾患

SASの原因となる鼻づまりを来す疾患、咽の問題、肥満などについて解説します。
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アレルギー性鼻炎
ホコリやイエダニによる通年性アレルギーと、花粉症があります。原因となる抗原を吸い込むと鼻の中でアレルギー反応が起こり粘膜が腫れて、その結果鼻づまりとなります。抗アレルギー剤の内服やステロイドの点鼻療法が有効です。ただしあくまでも対症療法なので、根気よく続ける必要があります。根本的から治すには免疫療法といって、抗原を注射や口に含む治療がありますが、効果が出るまでには最低でも2~3年かかります。
重症例や長く効果の続く治療を希望される方には、手術をお勧めしています。アレルギー性鼻炎による鼻づまりには、高周波による下鼻甲介焼灼術が有効です。 -
鼻中隔彎曲症
左右の鼻腔を隔てる壁を鼻中隔といいますが、これがどちらかに曲がった状態です。曲がり方や程度は様々ですが、9割の方にみられます。曲がっている度合いが大きい場合、鼻づまりの程度が強い場合、それによる睡眠時無呼吸が重い場合には手術をお勧めしています。以前は入院が必須でしたが、当院では内視鏡を使用し、さらに術式を工夫することにより、外来での日帰り手術も可能です。
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鼻茸と副鼻腔炎
鼻茸は鼻ポリープともいいます。鼻や鼻の奥にある副鼻腔の粘膜が腫れて垂れ下がり、元に戻らなくなっている状態です。大きくなると鼻の孔から見える程になることもあります。また後鼻孔ポリープといって、咽に垂れ下がるものもあります。鼻茸は多くの場合副鼻腔炎に伴ってできます。副鼻腔炎とはいわゆる蓄膿症のことですが、最近増えているのは、膿が貯まるタイプのもの以外に、喘息と合併した好酸球性副鼻腔炎というタイプのものです。副鼻腔炎の症状は鼻づまりの他に、濃い鼻汁が続くことや、頭重感、後鼻漏(鼻汁が咽に流れること)などがあります。
内服やステロイドの点鼻、鼻の処置やネブライザー療法で治る場合もありますが、手術が必要となる場合もあります。手術は入院で行うのが一般的ですが、当院では合併症が少なく比較的軽度の場合には、外来日帰りで内視鏡下鼻内副鼻腔手術を行っています。 -
アデノイド、扁桃肥大、軟口蓋下垂
アデノイドと扁桃は、もともと誰の咽にもあるリンパ組織ですが、肥大することにより気道を閉塞します。
軟口蓋とはノドチンコとその付け根の部分をいい、ここが正常よりも下がることにより、舌根との間隔が狭くなり、気道を狭くします。
いずれも、治療には全身麻酔による手術が必要ですので、適応となる方には手術可能な病院を紹介いたします。 -
肥満
体脂肪、特に内臓脂肪が増えると咽頭腔が狭くなり、睡眠時無呼吸の原因となります。食事や生活の見直しが必要です。
あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院 SASに対する取り組み
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的確な原因診断

ひとことでSASといっても原因は様々。鼻づまりや咽の狭さ、肥満などがあり、しかもそれらのうちのいくつかが複合して起こります。当院では鼻や咽の内視鏡検査や鼻副鼻腔のCT検査、鼻腔通気度検査、アレルギー性鼻炎の原因検索などをおこなうことにより、SASの原因を詳細に調べます。
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原因に則した治療選択
SASの治療は重症であればnCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸)の適応となりますが、約3割から4割の方が継続できないことが知られています。これは原因を考慮していないことによるものが多いです。特に鼻づまりの治療をしないでnCPAP療法のみを行っている場合に多いです。当院の治療方針としては、鼻づまりのある場合については、まずこれを治療するようにしてます。扁桃肥大などがある場合も、的確に診断し治療へと結びつけていきます。下顎の小さいことが原因となっている場合など、口腔内装置といい、下顎を前方に移動するように噛み合わせを改善するためのテンプレートが有効です。その場合は対応可能な歯科をご紹介いたします。
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手術
当院で対応可能な手術としては、高周波による下鼻甲介焼灼術、内視鏡下鼻内副鼻腔手術、鼻茸切除術、鼻中隔矯正術などがあります。咽の手術につきましては多くの場合全身麻酔が必要ですので、対応可能な病院を紹介いたします。
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nCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)
鼻にをマスクで覆ってそこに繋がった装置から、陽圧、すなわち圧を高めた空気を送り込むことにより、上気道が閉塞しないようにする治療です。重症例でもほとんどの例で効果のある治療法ですので、内科などでも行うことが多いです。 しかし鼻づまりなど気道抵抗が高くなる要因がありますと、高い圧が必要となり、そのため違和感が強くなったりして継続が困難になります。当院でもnCPAP療法を行いますが、必要な場合には鼻の治療なども行いますので、継続できないケースを少なくできると考えております。
